親子か夫婦か/「秘密」東野圭吾

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大切な人がいなくなったとき、どう感じるでしょうか。

自分が同じ状況だったら、一体どう思うのか。

今回この本を読んで、少し想像してみました。

 

「秘密」東野圭吾

 

友人におすすめされて読んでみたのですが、映画化、ドラマ化もされていたみたいですね!

東野圭吾さんがブレイクするきっかけとなった作品だそうです。 

 

ある家族に隠された「秘密」。

家族への思いが感じられる、切ない物語となっています。

 

 

こんな人におすすめ!

切なく悲しい本が読みたい人

東野圭吾作品に手を出したいけどミステリーが苦手な人

・自分の人生について考えたい人

 

あらすじ

妻・直子と娘・藻奈美の乗るスキーバスが事故に遭ってしまいました。

急いで病院に駆けつけましたが、直子は亡くなってしまいます。

しばらくして、藻奈美は意識を取り戻しましたが、なんと、死んだはずの直子の意識が宿っていたのです。

妻が死に娘が回復したと周りの目には映っていますが、実際に一緒に生活しているのは、娘の姿をした妻なのでした。

 

そこから直子は、小学生としては大人びた発言をして周りを困惑させることもありながら、

徐々に藻奈美として人生をやり直す決意をします。

 

このまま直子は藻奈美として生きていくのか。

それともいつか本当の藻奈美としての意識が戻るのか。

 

少し不思議で切ない物語です。

夫と妻(娘)だけの苦しい秘密に、胸を痛めることでしょう。

  

おすすめポイント

妻と娘の間で揺れる感情

主人公の平介にとっては話しているのは妻ですが、見た目は娘の藻奈美。

妻だと思って接したらいいのか、娘として扱うべきなのか。

状況が複雑なだけに、平介の気持ちも複雑に揺れ動きます。

 

自分が平介と同じ状況に陥ったらと考えると、きっとどうしたらいいか分からなくなると思います。

 

 主人公の言動にヒヤヒヤさせられる

藻奈美が大きくなるにつれ、仲良くしている男の子のことが気にかかります。

平介は妻がいると思って恋愛をしたいという感情を押し殺しているのに、直子は若い男の子と楽しくやっている。

そのことに嫉妬した平介の言動が少しずつエスカレートしていきます。

気持ちは分かるけどそれはやり過ぎじゃないか?とヒヤヒヤしながら読み進めました。

 

娘の成長を見守る父の顔と、妻の色恋沙汰に嫉妬する夫の顔と、どちらも感じ取ることができ、心苦しくなります。

 

壮大なストーリー

東野圭吾さんの代名詞ともいえるのが、本格ミステリー。

でも、残虐な殺人事件などが苦手でミステリーは読めない、という方もいるのではないでしょうか。

(実は私もあまり得意ではありません)

 

今回の作品は人が殺されるといったことはありません。

スキーバスでたくさんの人が亡くなりますが、殺人の酷さに顔をしかめるということはないのでご安心ください。

 

それでいて、妻の意識が宿った娘とともに生きるという奇妙な設定だけでなく、なぜバスの運転手は事故を起こしたのかというミステリー要素も含まれる壮大な物語になっています。

ミステリー好きにとっても読み応えのある作品だと思います。

 

さいごに

家にいる時間が長い今、読み応えのある本に挑戦してみようかな、という方には特におすすめです。

 ぜひ読んでみてください。

 

他にも、東野圭吾さんのおすすめ作品をいくつかご紹介します。