子供の成長って早いですよね。
昨日までできなかったことが嘘のようにできるようになった、なんてこともあるでしょう。
今回はそんな子供と高校生の成長を感じられる、温かい物語を紹介します。
「君が夏を走らせる」瀬尾まいこ
不良少年が1か月間子供の世話をすることになるお話です。
子供のかわいい面も困った面もリアルに描かれています。
子育て経験のある人は共感できること間違いなし!
もちろん子育て経験のない人も、子供が好きな人もそうじゃない人も楽しめる、心温まるストーリーとなっています。
こんな人におすすめ!
・子供が好きな人
・ただなんとなく過ごす毎日に物足りなさを感じている人
・じんわり温かい話が読みたい人
あらすじ
ろくに高校にも行かず、なんとなく毎日を過ごしている大田のもとに、先輩から突然電話がかかってきました。
それは、1か月間子供の世話をしてほしい、というものでした。
絶対に自分には無理だと思っていた大田ですが、とにかく他に頼める人がいないと言われ引き受けてしまいます。
大きな不安を抱えながらも迎えた初日。
先輩夫婦が家を出る前から1歳10か月の鈴香は泣き喚いていました。
大田が何をやっても効果はなく、手足を激しく動かし泣き叫ぶばかり。
その後も一緒に遊んであげたりご飯を作ってあげたりと、悪戦苦闘しながらも徐々に鈴香との距離を縮めていきます。
毎日鈴香の世話をする大田の、心境の変化にも注目です。
おすすめポイント
ころころ変わる子供の表情
最初は泣いてばかりの鈴香ですが、慣れてくると実にさまざまな表情を見せてくれます。
新鮮なものに驚いたり、ご飯を頬張って笑顔になったり。
子育ては大変だと思いますが、こういう子供の笑顔を見て、お母さんたちは日々頑張っているんだなと思いました。
正直私は子供があまり好きではなく、泣き叫んでいる鈴香の様子を読んでいるだけで疲れてしまいました。
やっぱり子供は好きになれないなと思っていたのですが、読み終わるころには子供ってかわいいなと感じるようになっていました。
不良少年大田くん
「大田くん」と聞いてピンときた方もいるかもしれません。
そう、ここで出てくる大田くんとは、「あと少し、もう少し」という作品で登場する大田くんなのです。
「あと少し、もう少し」では中学の駅伝メンバーに誘われ、やる気のないように見せながらもしっかり走る大田くんの姿が描かれていました。
今回の「君が夏を走らせる」は、そのときの大田くんが高校生になってからのお話です。
ここでも走るシーンがあるので、ぜひとも懐かしい気持ちで見守ってあげてください。
もしまだ読んだことがない方がいれば、「あと少し、もう少し」から読むことをおすすめします。
さいごに
たった1か月ですが、すぐに成長してしまう子供にとっては1か月も貴重ですよね。
その1か月で鈴香はどう成長するのか。
大田はそれを見てどう感じるのか。
そんな2人の成長を温かい気持ちで見てみてはいかがでしょうか。
また、瀬尾まいこさんの他の作品も読みたい方は、あすよみで以前紹介した記事を参考にしてみてください!