落ちこぼれ集団の青春/「カーテンコール!」加納朋子

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人は誰しも何らかの悩みを抱えているものです。

 それぞれ抱えるものは違えど、それを隠しながら社会に出て生活しています。

今回は、そんな悩める学生たちの物語を紹介します。

 

「カーテンコール!」加納朋子

 

さまざまな悩みを抱えた女子大生が、卒業するために寮生活を送り、単位を得るとともに成長していくストーリーとなっています。

もしかしたら自分と同じ悩みを持つ登場人物がいるかもしれません。

違う悩みだとしても、きっと勇気づけられることでしょう。

 

 

こんな人におすすめ!

人に言えない悩みやコンプレックスを抱えている人

・女の子の成長物語を読みたい人

・あまり学校に馴染めなかった人

 

あらすじ

今年で閉校が決まった萌木女学園。

なんとか全員を卒業させようと、理事長はあの手この手で救済措置をとります。

それでも単位を取ることができなかった学生のため、半年間の特別補講合宿が始まりました。

期間中は学生寮に泊まり込みで、外出は禁止、携帯電話も禁止、外部との連絡手段は葉書のみという半ば軟禁状態でした。

それでもなんとか卒業すべく、学生たちは勉学に励みます。

 

しかし、いるのは追試や補講なども全てすり抜け単位を落とし続けてきた者ばかり。

全体的に覇気がなく、曰く付きの人たちの集まりでした。

勉強以前に生活習慣から改めなければならない人もいます。

彼女たちはどんな過去を背負ってここまできたのでしょうか。

似たような境遇の学生が一堂に会し、思わぬ化学反応をもたらします。

 

落ちこぼれ集団の彼女たちは、無事に卒業できるのでしょうか。

 

おすすめポイント

さまざまな悩みを抱えた登場人物

特別補講のため寮に集まった学生は、全員が卒業するための単位が足りなかった人たちです。

でも、その理由はみんなばらばら。

みんなの悩みを知ると、自分が今抱えている悩みなんか小さいことのように感じます。

 

具体的にどんな学生がいるのか、少しだけ紹介したいと思います。

 

・壊滅的な寝坊魔

希望の大学に行けなかったことでやる気をなくした朝子は、午前中の授業にことごとく遅刻してしまいました。

その結果単位が足りず、特別補講のため萌木寮に入ることに。

学校の敷地内の寮に入ったからには遅刻することはないだろうと思っていましたが、補講初日も朝起きられず、理事長に強制的に食堂に連れてこられる始末でした。

そんな朝子と同室の女の子もまた、相当な居眠り魔なのでした。

 

・拒食症と…

朝早く起きて満員電車に乗ること、乗り換えで歩く距離、駅から学校までの坂、すべてが体力的にきつくて学校に行くことが少なくなり、単位を落としてきた千帆。

千帆の同室になった茉莉子は、見るからに拒食症と分かるほど細く、骨張った体をしていました。

この子にいっぱいご飯を食べてもらいたい。そう思い理事長とこっそり協力し、茉莉子の食事を管理することにします。

 

全く接点のなかった学生の友情

どんなに救済措置をされても卒業単位を落としてきた学生たちなので、学校にいないことの方が多く、他の学生との関わりもほとんどありません。

そんな学生たちが集まった寮は、当然誰もがお互いのことを全く知りませんでした。

そこから始まった特別補講で、少しずつお互いの素性やここにいる理由を知っていきます。

卒業できない、という事態にならなければ出会わなかった学生たちの、思わぬ友情が見られます。

 

少し前まで全く知らなかった人たちが、今では協力しながらともに生活している、という光景が微笑ましく思えます。

 

さいごに

彼女たちは、単位だけでなくもっと大切なものを手に入れられたのではないかと思います。

特別補講を終えたあと、全員が無事に卒業できるのでしょうか。

気になる方はぜひ読んでみてください!