社会と、じぶん。/「社会人大学人見知り学部卒業見込」若林正恭

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「自分と向き合う」ことできてますか?

 

 

学生の方は、もうすぐ社会に入ることになるでしょう。

社会人の方、社会と自分って何が違うのでしょう。

それ以外の方、社会っていったい何なんでしょう。

 

とてもあいまいな存在、社会。

 

そんな社会への参加方法を模索したとある芸人さんのエッセイがこちら。

 

社会人大学人見知り学部卒業見込/若林正恭

 

実は「あすよみ!」では先に続編の「ナナメの夕暮れ」を紹介していました。

 

 

www.asuyomi-book.com

 

今回はその一作目の「社会人大学」を紹介したいと思います。

 

個人的には、一作目の方が今の自分にしっくりきました。

 

社会を通して、自分と向き合う。

 

この本の大きな特徴は、ネガティブなフィルター(若林さんの性格)を通して自分と向き合っているということ。

まあエッセイだから当然なのかもしれませんが、その向き合い方が興味深いのです。

 

イメージを持ってる方も多いと思いますが、若林さんのナナメからの見方で描かれる世界はどこか歪んでいて、でも自分の気持ちにとても素直です

 

飲み会が嫌だったり、テレビの食レポやお宅訪問に興味が向かなかったり。

 

なかなか芸人が口に出して言えないようなこと(言うほどじゃないこと?)がたくさん描かれていて、それがとても共感できるのです。

 

おそらくこの本を読む人は自分に自信がなかったり、ネガティブな思考の方が多いでしょう。

ぜひこの本を通して、若林さんの文章を通して、自分と向き合ってみてください。

 

おすすめポイント

エッセイだから短時間でサクッと読める。

普段本を読まない人でもきっと読破できます。

基本的には1つの話が見開き2ページぐらいで終わります。

 

芸人さんだからか、文才があるからか、とてもスラスラ読めます。

堅苦しい内容もなく、親近感が湧くようなピュアな文体だと思います。

 

自分と向き合える。

それぞれの話では、若林さんが体験を通して自分のネガティブな面などに向き合っています。

しかしその向き合い方は決して暗くはなく、どちらかというと冷静に見つめている印象です。

 

冷静に見つめたうえで、突き放すこともあればそんな自分を大事にすることもある。

 

若林さんの自分との向かい方を通して、読者自身も向き合うきっかけになります。

 

気に入ったフレーズ

最後に向井がこの本を読んで気に入ったフレーズを紹介したいと思います。

 

何かをして何も起こらなかった時、飛ぶ可能性は上がっている。(p.114)

 一人で黒ひげ危機一髪をする経験から導かれた言葉。
失敗はいつかの成功の確率を上げるためだと思えると悪くないですよね。

ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。(p.138)

これ、一番突き刺さりました。

結局僕たちが不安になるのはやることがないからなのです。

本文でも「暇と飢えと寒さが人をネガティブにする三大ブランドだと聞いたことがある」と書かれているのですが、本当にその通りだと思います。

没頭することで今この瞬間に向き合える。

そしてその瞬間を繋げていけば未来が良くなる。

そう信じたくなる、素晴らしい気付きをくれた言葉でした。

 

社会なんて自己ベストを更新していくだけでいいという自信さえあれば自由に参加していい場所だったんだ。(p.219)

 最後は社会への参加方法を明確に示した一文。

結果だけを参加条件とするときっと楽しく生きれず続かないと気付く。

その行き着く先が、この「自己ベストを更新していくだけでいいという自信」なのですね。

気持ち一つでそこに社会は現れ、自分は一員になれる。

社会人としてもこの言葉には救われました。

 

まとめ

オードリー若林さんのデビュー作「社会人大学人見知り学部卒業見込」

最新作に比べ、自分と向き合う、という面が多かったと思います。

(最新作は、向き合った後乗り越えていく様を感じられます)

 

まだまだ未熟な僕は、こっちの作品の方が共感が強かったです。

 

まだ読んだことがない人は、ぜひ順番に読んでみてください。

きっとその成長過程がより味わい深く感じられます。