二人の少女の物語/「きみの友だち」重松清

こんばんは、雫です。

少し肌寒くなってきて、毎日着る服を考えるのが大変です。

 

10月に入り、だいぶ大学院の生活にも慣れてきました。

授業はもちろんなんですが、やっぱり新たに出会った人たちとコミュニケーションをとることもなかなか難しいんですよね。

 

皆さんは子供のころ、友だちと喧嘩をしたり、どう接したらいいか分からずに悩んだことはありませんか?

私はあります。今でも人間関係では悩んでばかりです。笑

 

いちいち相手の顔色を窺ったり、ちょっとのことで羨ましいと感じてしまったり。

誰もが一度は経験があるのではないでしょうか?

 

そこで今回紹介するのは、重松清さんの「きみの友だち」という本です。

足の不自由な恵美ちゃんと体が弱い由香ちゃん。そしてその周りの人との不器用な人間関係を描いた物語です。

 

こういう子いるいる、とか、反対に自分がこんな子だったな、と共感できる部分が多いと思います。

 

私が初めて読んだのは、ちょうど10年前ぐらいでした。

 

中学生のとき、大人しかった私は、やんちゃな生徒も多い中でいかに目立たずに生活するかだけを考えて過ごしていました。

友だちがいなかったわけではないですが、本当に好きとは言い切れないクラスメイトと休み時間にずっと一緒にいることが苦痛でした。

そんなに面白くもないことで愛想笑いをして、他の子の陰口を聞きながら曖昧に頷いて…。

そんなときに出会ったのが、この「きみの友だち」です。

 

これを読むと、「みんな」に付き合っているのが馬鹿らしい、合わせなくてもいいんだ、と思えました。

 

それから何度も何度も読み返し、本のカバーがボロボロになるぐらい読みました。

友だちと休み時間だらだら過ごしているのがもったいないと思い、ひたすらこの本を読み返していましたね。

(こうやって書くとすごくコミュニケーション能力に難ありのようですが、今はそれなりにまともです笑)

 

でもそれぐらい、本当に大切なことを教えてくれる本です。

 

なので久しぶりに読み返し、皆さんに紹介しようと思います。

これを読んで小学生時代を振り返りながら、友だちとは何か、大事なものは何か、を見つめなおすのはいかがでしょうか?

 

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あらすじ

 

小学5年生の恵美ちゃんは、ある雨の日、交通事故に遭ってしまいます。

お見舞いに来てくれた友だちに八つ当たりをしているうちに、だんだんと来てくれる友だちもいなくなり、教室での居場所もなくなる。

 

その日を境に人と関わらず、「みんな」に対しては笑顔を見せなくなった恵美ちゃんは、クラスから浮いた状態になってしまいます。

そんなときに、病気がちでいつも教室の隅っこにいるようなクラスメイト、由香ちゃんと親しくなる。

 

物語は、恵美ちゃんと由香ちゃんと、その周りの友だちとの短いエピソードからなっています。

 

 

デキる転校生モトくんのことがなんとなく気に入らないブンちゃんや、誰とでも仲良くして八方美人な堀田ちゃんなど、さまざまな登場人物を主役にしたエピソードが出てきます。

 

 小学生が主役だったり、中学生の頃の話だったりしますが、基本的に登場人物は子供です。

子供同士の些細なやりとりや争いなどが、鮮明に描かれています。

 

クラスで主導権を握っている女の子や、その子に調子を合わせてくっついている子が出てきて、あぁこんな子いたなぁと少し懐かしさもあるようなお話です。

 

 

 

こんな人におすすめ!

 

・人間関係で悩んでいる、または悩んだことがある人

友だちとは何かを考えたい人

・小学生時代を思い出したい人

 

 

評価ポイント

 

読みやすさ ★★★★★

意外性 ★★★★☆

世界観 ★★★★☆

 

おすすめ度 ★★★★★

 

 一つ一つのエピソードは短いので、気が付いたら読み終わっていると思います。

 

本当にすべての人に読んでもらいたい本です!

 

 

おすすめポイント 

 

登場人物に共感できる

 

この物語は、エピソード中の主人公を「きみ」という二人称を用いて語られています。

なので客観的に情景を見てはいるのですが、やりとりが鮮明なため、すごく共感できます。

 

私たちにも思い当たるような出来事があり、すごく身近に感じることができます。

 

大きないじめなどは経験がなく、あまりイメージがわかない人も多いと思いますが、何かをきっかけに友だちを仲間外れにしてしまったり、誰かのせいにしてしまったことなら一度ぐらい経験があるのではないでしょうか?

 

もちろんそんなことは良くないと心の中では分かっています。そのような気持ちも鮮明に描かれているので、見ていられないぐらい共感できてしまう人もいると思います。

 

章ごとに主人公が変わるので、子供時代の自分とそっくり!と思う人物もいるかもしれません。

 

ちなみに私は、気配りができて人の顔色を窺ってしまう西村さんの気持ちが痛いほどよく分かりました。

 

 

 

子供から大人まで読める

 

登場人物が子供ばかりなので、子供が読むのにぴったりな本です。

 

また、他の文庫本と比べると、少し文字が大きいので、子供でも十分読めるものになっています。

 

しかし子供向けというわけではなく、大人だからこそ分かることもあると思うので、大人の方にもぜひ読んでもらいたいです。

 

私も子供のころに読んで最近もう一度読み返し、今と昔とでは読んだ後の気持ちが少し違うなと感じました。

 

なのでしばらく経ってからもう一度読むと、また違った感想を持てるかもしれませんよ。

 

本当の友だちとは何かを考えさせられる

 

先ほども書いたように、足の不自由な恵美ちゃんは、事故を境にほとんど人と関わらなくなります。

口を開いても、そっぽを向いたままぶっきらぼうに喋るだけ。

 

そんな恵美ちゃんは、なぜ由香ちゃんと二人きりでいて誰とも関わろうとしないのか。なぜ二人だけでいても寂しそうじゃないのか。

 

物語が進むにつれ、恵美ちゃんの気持ちが分かってきます。

 

そして最後まで読んだとき、本当の友だちとは何なのか、気付くことでしょう。

 

恵美ちゃんがそっけなく放つ言葉にも、重みがあり心に響きます。

 

 

まとめ

 

題材的には少し暗めの内容ですが、それを感じさせないぐらい力強さのある物語です。

 

登場人物と一緒に、本当に大切なことを見つめてみましょう。

 

もしかしたら、何年も前にもう読んだという方もいらっしゃるかもしれません。

でも、今だから分かることもあります。

これを機にもう一度読んでみるのはいかがでしょうか?

 

もしもお子さんがいらっしゃるなら、ぜひ親子で読んでみてください。

 

きっと登場人物の中の誰かには重なると思います。

 

 

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